スエード靴のメンテナンスをやってみよう!

【トレーディングポスト名古屋店】

「スエード靴は秋冬しか履けない」なんて言われていたのも今は昔。

 

現在では、春夏の新作でもローファーを中心にたくさんのスエード靴が入荷しております。

 

やはり、スムースにはない起毛素材特有の柔らかな見た目・軽やかな履き心地が多くの人に支持されているのだと思います。

 

しかし一方で、日常的なメンテナンスにかなり手がかかってしまうと思っている方も多く、だいぶ誤解されているようです。

 

そこで、今回は普段のメンテナンスと合わせ、時間がある時のしっかりメンテナンスもご紹介致します。

 

シューツリーは必ず使いましょう

TradingPost:(左)TP100、(右)TP300

 

まずはスエード・スムース関係なく、シューツリーは必ず使うようにしましょう。

 

シワを伸ばしてあげる事で靴の型崩れを防ぐだけでなく、中の湿気を取り除いたりする効果もあります。

 

メンテナンス時もシューツリーを入れたまま行い、シワを伸ばす事で作業がより捗ります。

 

メンテナンスはクリーム等々を使った作業が50%、そして残り50%がシューツリーを使う事だと思って頂いて差し支えありません。

 

スーツに対するハンガーのようなモノ、使う・使わないで靴の寿命が大きく変わります。

 

スエードメンテの基本はブラッシング

(左)COLUMBUS:スエードブラシ  (右)R&D:ツイストワイヤーブラシ

 

スエードのお手入れは、1にも2にもブラッシング。

 

ブラシは金属を使用したスエード専用のワイヤーブラシを使用します。

 

馬毛や豚毛のブラシは、スエードに対し毛が柔らかすぎて不向きです。

 

髪を梳かしたりするように撫でるのではなく、軽くスナップを効かせて毛を起こすようにブラッシングしてあげて下さい。

 

「起毛」素材の名前の通り、毛が起きている状態の方がスエードの良さを際立たせます。

 

スエード用のブラシは店舗ごとでの取り扱いに若干の違いがありますが、個人的なオススメは写真左のコロンブス社のブラシ。

 

ワイヤーの硬さが絶妙で非常に扱いやすいです。

 

尚、店舗で使用しているブラシを実際に使って比べる事もできますので、気になる方はスタッフに声を掛けてみて下さい。

 

 

スエードは写真のようにシワの部分の毛が摩耗したり潰れて(寝て)しまう事があります。

 

その場合は該当の部分にブラシを押し当て、小さく円を描く様に動かし解してあげましょう。

 

その後に再度、毛を起こすようにブラッシングしてあげるとコンディションを取り戻す事ができたりします。

 

M.MOWBRAY:スエードカラーフレッシュ

全体のブラッシングが終ったらスエード用の栄養スプレー。

 

保湿して乾燥を防ぐだけでなく、撥水効果やスエードの色褪せを抑える効果があります。

 

使い方は、30cmほど離して全体にスプレーするだけ。

 

一回で終わらせてしまっても構いませんが、「全体に薄く」を2~3回に分けて行うとより効果的です。

 

 

つまり、スエードの基本メンテナンスは「ブラッシング」と「スエードスプレー」の2つのみ。簡単ですね。

 

一歩踏み込んだスエードメンテナンス

普段のスエードメンテナンスは上述した「ブラッシング」と「スエードスプレー」の2つで十分です。

 

ここからはプラスアルファのメンテナンス。

 

汚れがひどい場合や全体的にくたびれてしまったスエードを扱う場合にはお試し下さい。

 

シューツリーを使ってブラッシングを行う所までは共通で、そのあとのメンテナンスとなります。

 

(左)M.MOWBRAY:スエードクリーナー (右)M.MOWBRAY:リムーバークロス

長く履いたスエード靴には色々な物が付着するので、定期的にそれらを除去してあげましょう。

 

靴全体か、もしくは部分汚れであれば汚れの周辺にスプレーをして、リムーバークロスなどで拭ってあげます。

 

使い方はスエードスプレーと同様、20~30cm程離してスプレー。

 

軽くスプレーして拭う、を2~3回繰り返すとより効果的なのも同じです。

(至近距離から一点にスプレーするのは色抜けの原因となる事があるので避けた方が無難です。)

 

これを行う事で部分汚れも落ちますし、全体の古い油分が落ちる事でかなり見栄えが変わります。

 

この後のメンテがより効果的になるせいか、なんというか靴がシャキッとして曇っていた発色も良くなるんですね。

 

結構変わるので、試した事がない方はぜひ使ってみて下さい。

 

FAMACO:スエードカラーダイムリキッド

こちらは全体的な色褪せや部分的な色抜けが強い場合に使用します。

 

色が褪せている部分を中心に全体に行った方が自然な仕上がりとなりますが、部分使用でも構いません。

 

先がスポンジ状になっており、優しく押さえつけるように液を含ませ、全体に塗ってあげて下さい。

 

押さえつける事で一時的にスエードの起毛が寝てしまったりするので、完全に乾いたのちブラッシング。

 

色褪せだけでなく、色褪せで目立ってしまっていた毛のパサつきもかなり解消されます。

 

BOOT BLACK:スエードリッチモイスチャー

こちらのコロンブス社のスエードリッチモイスチャーミスト、効果としては先に上げたM.MOWBRAYのスエードカラーフレッシュと同様です。

 

ですが、こと色焼けや色褪せに関しての対応力はこちらがより効果的に感じます。

 

スエードは使用していくうちにどうしても退色が進んでいきますが、全体にこちらをスプレーしてしばらく置くと、かなり落ち着いてキレイな発色が蘇ります。

 

スエードカラーフレッシュ・スエードリッチモイスチャーは好みに応じてどちらを使って頂いても構いませんが、上記の通り仕上がりの良さは後者に軍配があがるかなと個人的には思ってます。

 

ただ、ミスト状の為乾くまでに時間がかかったり、全体へスプレーする時の扱いやすさを考えると、普段はスエードカラーフレッシュを使い、本格的に時間をかけたメンテナンスをする際にスエードリッチモイスチャーを使うのが正解かもしれません。

 

メンテナンス前 若干白っぽく色褪せています

メンテナンス後 全体がしっとりして発色も良くなっています

 

いかがでしたか?

 

ブラッシングとスプレーだけでもスエードのメンテナンスとしては十分ですが、たまにはしっかりと手を入れてあげると、思っている以上に質感が生き返ります。

 

随分とお疲れのスエード靴をお持ちの方、本当にお手軽にスエードらしい風合いを取り戻す事ができますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。